昭和の残像

旅先でふと気になって撮った写真をモノクロに変換すると、不思議と昭和を感じさせてくれるものになることがあります。 そんな写真を簡単な説明とともに載せていきます。

平和の塔

 戦後、昭和20年代から30年代にかけて、日本人の平和への思いは強く切実なものがありました。日本の各地に平和を願う塔や彫刻、モニュメントや石碑などが建てられました。その「思い」は、昭和という時代を越えて大切にしたいものですが、いつしか平和の塔そのものが、そうした「思い」の慰霊塔になったような錯覚を覚えます。切実であると同時に、本当にそれを実現させようとする意志や、平和への希望も本当にあった時代。確かに日本はその後平和と繁栄を経て衰退に向かっていますが、世界に目を転ずれば平和とは希望であるよりはある歴史的な気分のようにも思えて来ます。

 改めて、日本の数知れぬ平和のモニュメントを写真に残し、可能であればその建立の背景や、建立に携わった団体や個人のその後についても検証してみる必要があるかも知れないと思っています。

平塚にある平和の塔