昭和の残像

旅先でふと気になって撮った写真をモノクロに変換すると、不思議と昭和を感じさせてくれるものになることがあります。 そんな写真を簡単な説明とともに載せていきます。

水飲み場拾遺3

 

 京都、四条通りに近い公園の水飲み場です。

 逆エル字型で新宿区型に近いですが丸みもあり、金属の手すりが光っています。ただ、この日はとても寒かったので、見ているだけでひんやりした触感が伝わって来るようです。

 ほとんどその形や違いを気にされることものない建造物ですが、意識して見始めるといろいろと違いや工夫、長所も見えてきて面白いですね。これからも街歩きのついでに探していきたいと思っています。

 

【追記】

よく見ると水飲み用の水栓というよりは手洗い用かもしれません。撮っているときはもちろん、アップするまで気づきませんでした。思い込みは怖いですね。

京都

 

昭和喫茶

 倉敷にある喫茶店です。こういう装飾性の高い建物が減ったのは、時代の好みの変化だけでなく、決まりきった型の工法や素材以外での施工の費用が高くなり過ぎたせいではないかとも思います。キッチュと言えばその通りなんですが、喫茶店にロマンがあった時代を思い出させてくれます。それは今のカフェの「お洒落さ」とは全く違う種類のものでした。

珈琲ウエダ

 

水飲み場拾遺2

 岡山の丸型に対し、新宿区戸山町の角々した水飲み場です。水を飲むとは如何なる行為なのかという哲学的思索さえできそうな、同じ目的のために作られた、周囲の造作も含めあまりにも対照的な建造物という気がします。

戸山町

 

水飲み場二選

 公園にある、水飲み用の水道です。昔からあって、気がつくと大抵は平成の匂いのする作りに変わっていました。ときおり見つける昭和の水飲み場を写真に収めました。

 一つ目は港区のもの。モダンですが懐かしい形状です。まだ時々見かけるタイプです。横に下向きの水道栓もついていて、三つ編みの女の子がバケツに水を汲んで帰るところでした。

 二つ目は奈良公園の浮見堂の近くにありました。こちらは古都らしく、蹲のような形の古風な水飲み場です。

 これからもいろいろな公園の古いタイプの水飲み場を訪ねたいと思います。

港区の公園

奈良公園

 

スナック

 スナックというのも懐かしい響きがあります。おとなが行くところという感じで、憧れと嫌悪が入り混じった気持ちを持っていた記憶があります。「クラブ」はその上級版という感じで、とても自分が行けそうな気がしませんでした。

 その後「カラオケ・スナック」から「カラオケ」が独立し、女性のより密な接客を旨とする「キャバクラ」が全盛となって、だいぶ凋落した感じはありますが、まだ健在のようです。下の写真、どの店名が現在営業中なのかわかりづらいところが面白くて写真に撮りました。伊勢佐木町から吉田町の通りに向かう辺りです。 

 私は行きつけのスナックなどあったこともなく、ガールズバーやキャバクラも試しに何度か仕事がらみで行っただけで、何が面白いのかまったく理解できなかった口なので、とやかく言う資格はないのですが、改めて考えてみると、接客する女性と客との心身の接近度が、スナック<ガールズバー<キャバクラの順で近くなる気がしています。スナックのママや女性との、近くて遠い絶妙な距離の取り方が心地よいと感じる世代が減っているのかも知れません。良く言えば、昭和のおじさんたちはああ見えてけっこうシャイだった気がするのです。

スナック「アメリア」