昭和の残像

旅先でふと気になって撮った写真をモノクロに変換すると、不思議と昭和を感じさせてくれるものになることがあります。 そんな写真を簡単な説明とともに載せていきます。

家・建物

昭和喫茶

倉敷にある喫茶店です。こういう装飾性の高い建物が減ったのは、時代の好みの変化だけでなく、決まりきった型の工法や素材以外での施工の費用が高くなり過ぎたせいではないかとも思います。キッチュと言えばその通りなんですが、喫茶店にロマンがあった時代…

スナック

スナックというのも懐かしい響きがあります。おとなが行くところという感じで、憧れと嫌悪が入り混じった気持ちを持っていた記憶があります。「クラブ」はその上級版という感じで、とても自分が行けそうな気がしませんでした。 その後「カラオケ・スナック」…

軒先の坂

これも金沢主計町の坂です。 狭い路地の軒が重なり合うようにして建つ家々(料亭、揚屋なのでしょうが)が魅力的です。そして坂と一体化している左側の建物。鉢植えの植物も、「ガーデニング」などという外来語とは無縁の、正しい昭和の暮らしの風景です。 坂

散歩道

コロナで在宅の頃よく散歩した道です。 昭和40~50年代に建てられた住宅地が広がっています。 良い景色というわけではありませんが、急に視界が開けるのは悪い気分はしないものです。 散歩道

野毛の菓子屋

野毛のお菓子屋さんの建物です。 店名が季節に合いました。 野毛の菓子屋

地に足の着いた住まい

元麻布のとある小さな通りで撮った一枚です。 前景の民家と背景の高層ビル(森ビル系ですね)との対比が、アジアのどこかの国の首都にありそうで、日本もアジアであることを痛感します。この辺りを散歩するのが好きなのですが、昭和を感じさせるものは確実に…

沈む町の底へ

麻布台ヒルズが建設される前の、霊友会を背にして崖下の通りへと降りる坂の上から撮った写真です。2017年12月のものです。翌年4月に再度訪れた時には、住宅街は丸ごと取り壊され、工事が始まっていました。今は恐らく変わり果てた姿になっていることでしょう…

農家の中庭

柏にある旧吉田家住宅の中庭です。豪農の暮らしぶりを知る事が出来る歴史公園となっていて、見学も出来ます。 もう5年ほど前になりますが、見学した際に撮りました。スポーツ刈りと野球帽の小学生は今どき珍しく昭和の感じがありますが、半ズボンと運動靴が…

美晴荘

蒲田にある堂々たる建物です。 会社の寮なのだと思いますが、廊下の両側に部屋が続く昔のアパート風です。石造りの立派な門と塀、そして壁面に掲げられた家紋が目立ちます。何となく、戦国武将の足軽用の長屋のような気がして来ます。昭和の映画によく出てく…

路地

和歌山県海南市で見つけた路地です。 向こう側からランドセルを背負った子どもたちが駆け出してきそうな気がします。 狭くて懐かしさのある路地ですが、自分が「よそ者」であることを痛切に感じさせる場所でもあります。 路地

横浜南区の住宅街で見つけた住居の扉です。 何となく、開くと物語が待っていそうな玄関扉です。 子供の頃、父母に連れられて行った遠い親戚の家のような懐かしさがありますね。 扉

モルタル

昭和の建築の代表と言えばモルタル造りではないでしょうか。 今は様々なサイディングが主流のようですが、モルタルのあの独特の安っぽさと存在感がとても懐かしく感じられます。建物全体に特有の匂いもあったように思います。 写真は横浜戸部の岩亀横丁にあ…

南座

東華菜館の屋上から撮った南座方面の写真です。 モノクロにすると街を歩く人々も何となく昭和っぽく見えるから不思議です。 京都は昭和っぽさを感じさせるところは余りないですね。 これも多少無理はありますが、白っぽい建物が多いせいか、多少は昭和の感じ…

目黒の銭湯

池尻大橋から蒲田まで歩いたことがあります。 山手通りを大鳥神社で曲がり、後は最短距離となるよう住宅街を歩く中で見つけました。西日を受けて輝いていました。 すでに営業を止めて久しいようですが、立派な鯱の載った屋根、入り口の入母屋造りは健在です…

煙草屋

郡上八幡に行った時に撮った一枚です。 街中全体がノスタルジックな町ですが、観光名所から少し離れたこんな光景がかえってその町の印象を強く残してくれる気がします。 「たばこ」の看板は残っているものの、もう売ってはいません。この、角にある感じがた…

店の中

田町駅から慶応義塾大学に向かう途中にある料理屋さんの、入ってすぐのところの佇まいです。 何てことはない椅子や壁、階段なのですが、小津安二郎の映画に出てきそうな懐かしい雰囲気があります。 カウンターから振り返るとこの景色があり、思わず写真に撮…